動悸、息切れ

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2018年06月号

動悸・息切れ“動悸、息切れに キュウ〇〇 キュウ〇〇”というCMをよく耳にします。実際に経験すると、気になる症状です。

動悸は心臓の不快な拍動を自覚することで、どきどきする、脈がとぶ(ぬける)、脈が乱れる、脈が大きく打つ、脈が速い、脈が遅い等と表現されます。

約半数は、心臓の疾患、不整脈などが原因と報告されていますが、肺の疾患、甲状腺の疾患、貧血が原因のこともあります。また、精神的なストレスや内服している薬の影響のこともあります。心臓疾患と決めつけずに、内科で、今までの経過をよく話し、体全体を診察、検査してもらうことが大切です。

動悸を症状とする不整脈で、近年最も注目されている疾患に心房細動があります。正常人では、心臓は洞結節(ペースメーカー)からでた電気刺激により、心房、心室と順次規則的に収縮していますが、心房細動では、心房に異常電気興奮が生じ、心房が不規則に細かく震え、そのため心室の収縮も不規則となり、脈拍が完全にバラバラになります。心房の収縮力が低下するために、心臓内に血栓(血液の塊)ができやすく、その血栓が脳に飛んで、脳塞栓、脳梗塞になることがあります。心房細動は、加齢とともに増加し、慢性になりやすく、脳梗塞の予防目的で、抗凝固薬を服用することが、勧められています。

息切れ、息苦しさ(呼吸困難感)は、主として低酸素の症状と考えられ、2/3は呼吸器系と心血管系の疾患が原因です。呼吸器系疾患としては、喘息、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎等が、心血管系では、心不全が主な原因です。その他では、貧血が進行しても息切れが起こることを忘れてはなりません。

息切れを主な症状とする肺疾患で重要なのが、慢性閉塞性肺疾患COPDです。長期間の喫煙が原因で、徐々に肺胞、気管支に損傷が起こってきて、慢性的な咳、痰、息切れ等を生じてきます。進行すると酸素療法も必要となります。以前は肺気腫とか慢性気管支炎などと呼ばれていた疾患で、生活習慣病の一つです。直ちに禁煙し、吸入薬などの加療を受ける必要があります。

タバコは、がんのリスクも増し、心臓病、不整脈も悪化させます、禁煙が重要です。



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