血圧とナトリウム(塩分)

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2013年09月号

塩分イラスト昔、子供の時に、祖父に最も好きな食べ物は何?と聞いたことがあります。

祖父は、迷わず、それは塩だよと答え、チョコレートとかカレーライスとかいう答えを期待していた私は、大変びっくりしたのを覚えています。

今、塩は私たちの生活になくてはならないものですが、塩分(ナトリウム)と血圧の関係は、よく知られていて、塩分の取りすぎが高血圧の最大の原因といわれています。

人間をはじめとする陸上動物の祖先は、海から陸にあがってきた時、”腎臓に” 体内を海水と同じような環境に保つようなシステムを身につけました。

このシステムをレニンアンギオテンシン系といい、体内の水分、塩分を調整し、血圧に大きく関わっています。
そして、このシステムは塩分の少ない陸上でくらしていけるために作られたもので、塩分は体に必要ですが、生きていくためには少量の摂取でよいのです。


実際、塩を持たず、野生の物のみ食するアマゾンの原住民では、1日の食塩摂取は1~3gと推察され、収縮期血圧の平均値は90~100mmHgで、高血圧は存在しないそうです。
しかし、一度塩を手に入れた人種は(私の祖父のように)その魅力ゆえに、塩は絶対に手放せないものになり、慢性的に過剰摂取の状態になってしまいました。


日本人の平均食塩摂取量は現在13g/日と言われています。

日本高血圧学会の高血圧ガイドラインでは『1日の塩分摂取は6グラム以下に』との目標が掲げられています。

広島県の呉では昨年減塩サミットという学会が開催され、減塩の大切さが発表され、呉、広島には塩分3g未満、カロリー600kcal未満のヘルシーメニューを出すお店がいくつもできています。


しかし反面、外食メニューのほとんどは、上の基準には入らないアンヘルシーメニューであるとの現実が存在します。

そして、仮に上のヘルシーメニュー提供のお店で3食食べても1日9g弱の塩分摂取となります。

1日6g以下の塩分摂取というのは、入院し病院食のみとっているときは可能ですが、日常生活では非常に達成困難な目標のように思います。
高血圧対策に減塩は必要です、まず1日10g未満を目標にやってみてはどうでしょう。




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