慢性腎臓病CKDに注目!

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2023年08月号

慢性腎臓病CKD慢性腎臓病とは

従来の一つ一つの原因別の腎疾患名ではなく、腎機能が慢性的に低下している状態を指す総称です。腎機能障害(腎機能低下)をより理解しやすく、より早期に発見するために2002年に提唱されました。

腎臓の働きと糸球体濾過量GFR

腎臓の主な働きは、血液中の老廃物や塩分を「ろ過」し、尿として身体の外に排出することです。この働きをしているのが糸球体で、1つの腎臓に約100万個あります。糸球体濾過量とは単位時間に腎臓の糸球体が濾過できる血液量で、腎臓の機能を表します。

慢性腎臓病の診断

慢性腎臓病は、検査で尿蛋白等の異常があるか、糸球体濾過量が低下している状態が3か月以上続いている場合に診断されます。糸球体濾過量は血液検査でクレアチニンを測定することで推定されます。尿蛋白が多く、糸球体濾過量が低いほど重症といえます。

慢性腎臓病の原因疾患

慢性腎臓病の原因となる疾患では、生活習慣病(糖尿病、高血圧など)や慢性腎炎が代表的で、メタボリックシンドロームとの関連も深く、日本では慢性腎臓病の患者が約1,330万人(20歳以上の成人の8人に1人)いると考えられ、新たな国民病ともいわれています。

慢性腎臓病の症状

慢性腎臓病の症状としては、初期には自覚症状はなく、病気が進行すると、夜間尿、貧血、倦怠感、浮腫、息切れなどの症状が現れてきます。

慢性腎臓病の治療

慢性腎臓病と診断されたら、生活習慣を改善するとともに、原因の疾患の治療をきちんと行います。最近では、腎機能の悪化を抑制するお薬、腎機能障害による貧血を改善するお薬などが開発されています。服薬については、主治医と相談しましょう。
腎機能障害は、単に腎臓だけの問題ではなく、心筋梗塞や脳卒中、末梢動脈疾患(閉塞性下肢動脈硬化症など)といった心血管疾患の発症リスクを上昇させるということがわかっています。したがって、より早期に腎機能障害を診断し、治療を開始することが大事です。



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