脂肪肝、フォアグラはどうでしょう。

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2016年04月号

脂肪肝脂肪肝はその名のごとく、肝臓に脂肪が蓄積する疾患で、原因は食べ過ぎによるカロリー過剰、肥満、アルコールの多飲などです。健康診断を受ける方の3割近くに認めるとの報告もあります。

フォアグラという食べ物がありますが、鴨やガチョウに過剰にエサを与えて、肥満させ、脂肪肝をつくったものです。フォアグラとは、フランス語で肥えた肝臓という意味だそうです。正常の肝臓は赤褐色ですが、フォアグラは脂肪が多いので黄色味をおびています。

 人間の脂肪肝も同じで、まさにフォアグラ状態になったものと言えます。メタボリックシンドローム(通称メタボ)は、生活習慣病の代表で、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い)と関連し、内臓に脂肪が蓄積する状態です。この内臓に脂肪が蓄積する状態の代表が脂肪肝です。

アルコール性肝障害は、進行性の疾患としてよく知られていますが、飲酒しない人の脂肪肝は、いままで軽視されてきた傾向がありました。しかし、このアルコールを飲まない方の脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患)の中に、肝臓の炎症が進行していく非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)という病態があり、さらに肝硬変、肝がんになる症例のあることが判明しました。このため、飲酒しない人の脂肪肝にも、注意が喚起されています。

脂肪肝は生活習慣病の一つであり、生活習慣の是正が必要です。原因がアルコールの場合は、飲酒を減らすことが必要ですが、飲酒をされない方の脂肪肝は、食事療法と運動により、減量することが重要です。もちろん、糖尿病、高血圧、脂質の異常などがある場合には適切に治療を続けることが、脂肪肝の改善にもつながります。

それでも肝機能異常が続く場合や、血小板数が減少してきた場合などは、上述の脂肪性肝炎や肝硬変への進行、悪化も心配されます。そのような場合は、一度、専門医を受診したほうが良いでしょう。



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